決算まで差し迫ったところで小さな会社が、節税策として何があるでしょうか。
すぐ思いつくのが、何らかの保険に加入して、支払保険料を費用計上することです。
保険会社、保険種類、保険扱い業者はたくさんあり、電話すれば、保険の人は喜んですっ飛んでくるでしょう。
しかし、実際にお金を使わなければなりません。
節税にもいろいろありますが、決算が迫ってきてお金がかからない節税を10個あげてみました。
[1]債権放棄
売上代金、貸付金についていつまでも入金がない取引先、関係者に対して、内容証明郵便などで、その債権について、もう入金しなくてよいです、あきらめました。という趣旨を明記して相手方に通達します。
その通達した債権額について貸し倒れ損失を計上します.
[2]売上割り戻しの未払計上
当期分の売上につき、次期に売上げ割り戻し、売上げ値引きとなる金額が合理的に算定できる場合に、売上のマイナス的性質として当期中に未払計上する。(その後継続適用が必要)
[3]棚卸資産の陳腐化評価損
棚卸資産について新製品販売、型落ち、流行おくれ、破損、棚ざらし、品質変化などで、通常の販売ができないこととなっている場合。
これらについて、取得した金額を下回った価格でしか売れる見込みがないことが客観的に証明できる場合に、取得金額と販売可能金額との差額を評価損として損失計上する。
[4]棚卸資産の廃棄損
現時点ですでに売れる見込みがなく倉庫に眠ったままとなっているものについて、廃棄する。廃棄した証明が必要。(少しお金がかかります)
[5]含み損のある有価証券の売却
有価証券評価損を合理的に計上できないが、簿価より低い金額でしか売れないようなものを、実際に売却して、損失を計上する。
[6]固定資産の有姿除却
もう使うことのない機械設備、オフィス家具、金型、コンピューター関係備品などで、処分せず放置しているものについて、帳簿価額があるものについて、処分見込価額との差額を除却損として計上する。
[7]ソフトウェアの除却
技術革新、新規開発などにより、物理的な除却、廃棄、消滅はないが、ソフトウェアを使用しなくなった場合、簿価を損失計上する。
[8]社会保険の未払計上
例えば3月決算の会社の場合、健康保険料、厚生年金保険料の、3月会社負担分は4月に納付するものですが、通常納付した時に費用計上している会社も多いと思いますが、3月会社負担分は費用として未払計上できます。
[9]減価償却資産の特別償却、特別控除
政策的に期間を区切って実施される税制の、特別償却や特別控除の規定を利用する。
[10]固定資産と一体として計上していた租税公課などを区分経理する
不動産取得税、登録免許税、登記費用や借入金の利子などを固定資産に含めて計上している場合、切り離して区分経理することにより、全額当期の費用とすることができるものがある。
*最後に*
お金を使わない節税は、その商売を知らない人にも、納得がいくような明白な証拠書類とわかりやすい説明の両方の準備が必要です。(けっこうたいへん)