試算表とは、何かを試しにたし算している表?

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経理において、試算表という、数字がたくさん表示されている表がありますが、そもそも何なのか確認してみました。

[1]試算表とは

試算表とは、その名のとおり何かを試す、何かを計算してみる、その試した結果の表という事になります。

何を試しているかですが、表の一番下の、左にある合計額と、右にある合計額が一致しているかどうかを試しています。一致していないとしたら、仕訳か転記のどこかに誤りがあることとなり、その発見と解決のために作成します。

英語で、まさにTRIAL BALANCE。

[2]試算表のプロセス

会社の各取引を、簿記の原則で作成した仕訳(借方と貸方)とします。

その仕訳した金額を、各勘定科目ごとの集計表(総勘定元帳)に転記します。

それが正しく転記されているかを知るため、総勘定元帳の各勘定科目ごとのそれぞれ借方の合計と貸方の合計、または、各勘定科目ごとの借方の合計と貸方の合計の差額、をこの試算表の一コマ一コマ(各セル)には、転記(入力)します。

集計の期間は、月ごと又は、事業年度開始からの累積です。

借方と貸方のどちらも合計した表を合計残高試算表、借方と貸方の差額のみを合計した表を残高試算表といいます。この二つとも同時に表にしたものを合計残高試算表といいます。

[3]試算表の役割

残高試算表は、貸借対照表と損益計算書を合算したものといえますので、残高試算表を資産、負債、資本、収益、費用の各グループに振り分ければ、暫定的な貸借対照表と損益計算書が出来上がる形となります。

会社内部の経営者などにとって、先月の、又は事業年度開始から先月までの業績はどうだったのか、先月末時点の債権残高や支払手形残高、買掛金未払金残高、借入金残高はどうなのか、を知る重要な経営資料となります。

また会社外部に提供する資料としての役割もあります。

会社が金融機関から借入れする際、又返済期間中、金融機関から直近の決算書などの他に、現在進行中の試算表を求められることがあります。これも会社の業績と財政状態を提供するための資料として求められます。

もちろん前期や前々期の同月(又は期首から同月までの累計)との比較によりさらに有益な参考資料となります。

 

むかし、振替伝票を手書きし、それを仕訳帳に転記し、各勘定元帳に転記し、電卓(その前はそろばん)でたし算して試算表を作成していた時代は、本来の意味の試算してチェックする表でした。

現在は、転記や集計はパソコンで苦労せずに出来るので、どちらかというと、暫定的な貸借対照表と損益計算書で、会社の業績や財産状態の把握のための資料、という意味合いの方が強いですね。

 

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