借地権、借地権利金、底地代とは、そもそも何か?(法律以前のはなし)

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土地の所有は、縄張りの獲得であり、個々の人間にとって確実な価値がある。

むかしは土地の持ち主(地主)に絶大な権力があり、その土地を借りている人(借地人)の肩身は狭く、地主のいいなりで、土地の借り賃(地代)の値上げや立ち退きを強要されて、困っている人が多くいた。

 

そこで、近代国家では借地法というような法律を作り、土地を借りている人の立場を尊重し、保護するようになった。

 

地主たちは、それに対抗して、借地人の立場を保護し、その土地を地主が他に有効活用できなくなる代わりに、借地人に  “最初にたくさんお金を払ってください” と言い出した。(土地利用の権利をあげる代わりにお金を要求=借地権利金)

 

人気のある土地(都市部)ではその権利金が莫大な金額になり、隣の番地の同じ広さの土地なら余裕で買えるようなことさえある。

 

さらには、その土地自体に興味はないが、その権利を安く買い、高く売る“権利”自体を商品とするものも現れた。

 

借地権とは、土地を利用するための権利であり、初めに借地権利金を支払っても、土地全体を買ったわけではないので、地主は土地を貸し続ける代わりに基本料金(底地代)を毎月要求するのが一般的になっている。

 

なぜ借地人は土地全体を買わないのか?

→土地を買うほどのお金がない、或いは、お金があっても地主が売ってくれない。

 

なぜ借地人は、“土地を利用する権利”だけにたくさんお金を払うのか?

→たくさんお金を払ってでもそこの土地を使いたいから。

また、借りる人は、その土地全体の価値、毎月の地代、更新料の相場がわからず、あまり深く考えずに、支払いに応じてしまう場合がある。

 

借地権と一口にいっても、土地、家屋は、はっきり目に見えるが、借地権は、漠然としていて、土地によっては借地権が存在しないところもある。

 

地主により、借地権に関わる権利金、利用制限、更新料、名義書換料、何らかの承諾料の決め方などが様々であり、借地権の売買を考える場合、事前に契約内容、土地の謄本(国の記録)、周辺地域の状況や歴史、近郊や借地権に精通した複数の不動産業者、所轄の役所などを当たらないと、後年トラブルに発展するケースがある。

近年希薄になりがちだが、法律以前に人間同士のやりとりからスタートしているので、地主とのちょっとした人間関係も大きく影響を受ける場合がある。

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