有名な会社で合同会社となっているところには、アマゾンジャパン、Apple Japan 、西友、日本ケロッグ、p&gマックスファクターなどがあります。
近年、急増している合同会社について、株式会社と比べてどのような違いがあるのか、要約してみました。
[1]会社の所有者(出資者)と経営者の関係が違う
株式会社の場合、経営者が所有者から預かったお金を、所有者たちの期待に添うように、会社の目的に向かって経営していこう、という形をとります。
合同会社の場合は、所有者が自らその会社を経営していこう、という形をとります。
この違いこそが決定的なもので、これにより他の様々な違いに発展します。
[2]株式会社は資金がものをいい、合同会社は人がものをいう
合同会社は、株式会社のように大株主(多額の出資者)が会社の支配権、大きな影響力を持つということはありません。
莫大な資金を投じて大量生産するというより、IT時代の個人の技術能力が戦力となる専門的なサービス業などに向いた会社の形態です。
株式会社は事業の成果として出資者の出資持分割合に応じて、配当をうけとります。
合同会社は個人の貢献度合いに応じて利益の配分を受け取るなど、会社の運営、利益の配分などを出資者(=社員)全員で作成した定款において、自由に決めることができます。
またその定款、業務執行のルールについても、原則的に出資の割合に関係なく、出資者(=社員)全員で柔軟に変更することができます。
[3]株式会社には縦の人間関係の秩序があり、合同会社には協力参加型のパートナーシップがある。
株式会社には、株主総会、取締役会、代表取締役、取締役会、監査役などがあり、会社の経営と出資者への報告責任のための骨組みが必須ですが、合同会社にあるのは、社員総会だけです。
会社の重要事項については、原則、社員全員の同意をもって決定します。ただし、定款において取締役に相当する業務執行役員、またそのうち代表取締役に相当する代表社員を定めることができます。
[4]合同会社は設立費用が安い
株式会社に比べ合同会社の設立に係る登録免許税が9万円安く、6万円となっており、定款の認証費用(5万円)は不要なので、株式会社の場合より合計14万円安くなります。
[5]合同会社は役員変更登記の手間も費用もかからない
株式会社には、取締役、監査役に2年から10年までの任期があり、更新の登記が必要ですが、合同会社の場合、定款で定めないかぎり役員の任期はありませんので、実際に変更事項がない限り、役員の更新の登記は必要ありません。
[6]合同会社は決算公告義務がない
合同会社には、監査役の監査義務もなく、決算公告義務もありません。
ただし、株式公開、上場はできません。
[7]その他
合同会社は、低予算で一人または少数精鋭の専門的な事業、例えばコンピューター関係、デザイン関係、小売店などが個人事業主でなく、法人にしたい人に向いているようです。
日本では、株式会社より認知度が低いこと、縦の人間関係が重視されないため、社員間の対立に収拾がつかなくなる可能性があるなどのデメリットがあります。
*有名な合同会社は、今のところ、あまり株式会社の響きにこだわらない外資系が多いみたいですね。