運転資金とは何か?

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商売を行う資金には大きく分けて運転資金と設備資金の2種類ありますが、この運転資金とは何なのか整理してみました。

[1]運転資金とは

 

運転資金とは、通常の営業過程の中で、設備に使う資金以外の資金といえます。

設備資金は、土地、建物、機械装置、車両などの固定資産の購入に必要な資金です。

設備資金の金額は請求書、契約書、見積書などで明示されますので、はっきりしていますが、運転資金は設備資金と違い、色々な要素があるので設備資金と一線を画し、頭を悩ませるところとなります。

仕入れ先から商品を仕入れ、その代金を支払い、売り先へその商品を売って、その代金を回収する。単純な計算としては、この営業の基本プロセスの支払から回収までの間の手持ち資金のことです。

たった1日で支払から回収まですべて終れば、運転資金は全く必要ないと言えますが、商売をやる以上まずそのようなことはあり得ません。

運転資金の必要額は次の式で算出されます。

運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-仕入債務(支払手形+買掛金)

[2]運転資金が大きくなる原因

 

(1)運転資金の金額が大きくなる原因のひとつに次の時間があります。

①仕入れた商品を売り場にそろえるまでの時間

仕入れた商品を手を加えずそのまま売れる状態に持っていける商売であればあまり必要ないですが、材料を製造、加工する商売であれば多くの時間が必要となります。さらにそれぞれの工程で、材料、仕掛品とさらに完成品を運送している時間もあります。

②売れるまでの時間

売れる状態になってから実際に売れるまでの時間

売れて無くなった商品以外はすべて在庫として売れるのを待機している状態となり、多ければ多いほど運転資金も必要となります。

③売った商品の代金を回収するまでの時間

消費者への現金商売中心の飲食店、小売店などなら、その場で代金の回収が可能ですが、通常今月売った代金は、翌月末に入金となったり、手形で受け取って、実際に入金となるのが3~4か月先となったりします。

④仕入れた商品代金を支払うまでの時間

この期限は、売上の回収と逆に長いほど運転資金は少なくて済むという事になります。

 

(2)運転資金の金額が大きくなる原因に会社の業績アップがあります。

会社の売れ行きが順調で売上が上昇すれば、売掛債権もそれに比例して多額になり、在庫も売掛債権回収まで待っていては、品薄になり商売が止まってしまうため、より多くの仕入が必要となります。

このため運転資金も比例して十分準備がなければ、、売上好調なのに資金が足りなくなり、倒産の危機に陥ってしまいかねません。

 

*会社が順調という事は、ただ売上を上げればよい、ということではないですよね。

 

 

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