会社設立にあたり、定款というものが必要ですが
そもそものところを再確認してみました。
[1]定款の款の字が難しい
このていかんの款の字がむずかしいので、初めて見聞きする方は身近に感じられず近寄りがたい響きがありますよね。
定款とは、会社の憲法という意味合いで、会社の基本的な規則を定めたものです。
“款”という字は、法律や規則の箇条書きという意味があります。
“会社の基本的な法律でいわば会社の憲法“というより、”定款“といった方が何を意味するかすぐ解るので、慣れれば便利な呼び方です。
[2]定款はなぜあるのか?
個人と区別して、会社という世間に有効な組織を作るからには、ほかの人々にイメージできるように組織の基本的なことをまず明示する必要があります。
個人で事業をやっていた人が、その延長で会社を作る時にも、やはりケジメとして当然必要になります。
このため定款をつくります。
また、定款を作らなければ、会社として国に認めてもらえません。
[3]定款に書く内容
定款に書く事には次の3種類があります
- 必ず書かなければならないこと
- 書かなくてもよいが、書かないと無効になること、
- 書かなくてもよいこと
(1)必ず書かなければならないことには以下の事項があります。
・目的
その会社の商売内容で、将来の商売予定も記載します。
他人がみてすぐわかること、法律的に問題がないことが前提です。
例えば、飲食店の経営ですとか、不動産の売買、賃貸及び仲介などです。
・会社の名前
・会社の住所
・出資する元手の金額
・会社を初めて作る人(発起人)の氏名(又は名称)、住所
・会社が発行できる株式の上限
(2)書かなくてもよいが、書かないと無効になること
取締役に関すること、株式の発行に関することなど、会社の運営に重要なとり決めを記載することになります。
(3) 書かなくてもよいこと
事業年度(決算期)に関する事項など、定款と別に決められますが、記載することで運営がスムーズになります。
[4]会社を作る人(発起人)全員の署名押印が必要
定款に、会社を作る人(発起人)全員の署名押印が必要です。
印鑑証明ものちに必要となります。
[5]定款を公証人に認めてもらわないと無効になる
公証人とは、国の公証事務を行う公務員で、裁判官、検察官などを長く勤め退官した方が多いようです。
定款が発起人の作成したものであることを証明するため、公証役場にいる公証人に認めてもらいます。
基本的には発起人全員で行きますが、いけない場合は委任状が必要になります。
公証人に認めてもらうことを認証といい、これがなくては、定款が法的に有効となりません。
*最近では、電子定款、電子認証という方法もありますね。
定款とは会社スタートの選手宣誓といったところでしょうか。