長く続いている会社には、必ず経営理念や社訓というものがありますが、そもそも、なぜあるのか確認してみました。
[1]経営理念とは
経営理念とは、企業を続けていく理由づけ及び正当性のスローガンで、社内外に表明します。
[2]経営理念を作る理由
経営理念を作る理由は次のようなものです。
企業に存在価値を与えるため
利益を上げるため、
社員をやる気にさせるため
外部関係者の協力を得るため
これらを通じて企業を存続、繁栄させるため
[3]経営理念の内容
経営理念の内容は、会社それぞれ言葉は違いますが、大体次の3つを柱として掲げています。
①お客様に喜ばれること、役に立つこと、幸せにすること
②社会に貢献すること
③社員を幸せにすること
[4]”利益の追求” がない理由
商売である以上利益を追求することが会社の目的ですが、経営理念には、利益の追求(=儲ける)というようなフレーズはまずありません。
利益の追求という言葉がない理由は、3つあります。
①利益の追求は当たり前だから、書くだけ野暮
もともと会社を作る理由、経営理念を作る理由が利益を生み出すためであるため、経営理念の内容に挙げる必要がありません。
②利益の追求を前面に打ち出してしまったら、逆に利益が逃げてしまうからタブー
お客様はその会社を儲けさせるために商品やサービスを買うわけではない。
社外の人が聞いたら、効果的どころかマイナスとなってしまいます。
③上記[3]の3つの柱がいずれ利益をもたらすため書く必要がない
お客様のため、社会のため、社員のため、と心して企業を運営することが、結局は会社を長い年月存続させ、利益をもたらし続けるための唯一の条件であるため、書く必要はありません。
[5]その他
株式会社は、官庁や役所ではないため、もともと何もない白紙の状態から組織として発展させてゆくためには、創業者や経営者の頭の中にあること、創業した動機、熱意を、法律的に強制されるもの以外にも、会社の内外に文章にして知らせていく必要があります。
経営理念の要旨は、結果として他社と似たようなものであっても、なるべく具体的でオリジナルな表現であるほど効果的です。また会社の拡大や時代に応じて見直していく必要もあります。
*経営理念の内容を実際にどのように具体的に実行しているかどうかは、また別の話となりますね。