損益分岐点ってなんだ

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[1 ]   打算そのもの

 

決算の数字をもとに、商売としてどれだけ売れれば儲かるのか、また、お客様の値引き要請にどこまでこたえられるのか、採算がとれるのか、などを考えるヒントとして、損益分岐点分析という基本的な経営分析があります。

ネーミングからして端的に “打算” そのものです。

損するか、得するかその境となる売上高を求める中で、全体の売り上げ目標やコストを見直そうという、わかりやすい分析指標です。

損益分岐点とは、費用の合計と売上の合計が同額となる地点の売上高のことです。

収支とんとんの状態。

 

[2 ]   変動費と固定費に分けます

 

この分析で要となるのが、費用の科目をひとつひとつ2種類に分けることです。

売上とともに変動する変動費と、変動しない固定費です。

変動費は売上が上がれば上がるほど、比例して増加する材料仕入、商品仕入、外注費、運賃、工場消耗品費など。

それに対して、固定費は売り上げが増加しても減少しても、ほとんど変わらない固定的な金額となる費用です。家賃、役員報酬、給料手当、リース料などです。

 

損益分岐点分析でむずかしいのが、この変動費と固定費を分けることです。

 

電気、ガス、水道料金は基本料金は固定費ですが、生産、営業に応じて増加する部分は変動費となります。固定費60%変動費40%という具合に設定します。

 

社員、アルバイトの給料も、売上に応じて仕事量が増え、残業代が加わったり、新たに社員を採用したり、アルバイトを短期雇用する場合もあり、基本的には固定費ですが、変動費となる部分もあります。

 

その他に燃料費(ガソリン代など)、修繕費、旅費交通費、広告宣伝費なども固定費部分と変動費部分がありますよね。

 

 

[3] 限界利益とは

 

売上から変動費を引いたものを限界利益と言います。

なぜ限界なのかというと

「 不景気で、家賃も払えない 」

という、基本的な経費(イコール固定費)が払えるかどうかという瀬戸際で、経営者の頭をよぎる儲けの概念。

「ぎりぎり限界です!」 というイメージからです。(たぶん)

そして限界利益から固定費を引いた残りがあれば、それがめでたく儲け(利益)となります。

固定費である家賃も払えない状態がこの先ずっと続くようなら、撤退を考える時期となりましょう。

 

 

[4] なかなか潰れなかった居酒屋

 

以前住んでいたところの近くに、外から様子がうかがえる一軒家の古びた居酒屋がありました。

お客さんが入っているところをほとんど見たことがなく、だいたい初老の主人が客席でひとり新聞をひろげているか、腕組して通りを眺めています。

日々の通り道だったため、その様子をチラッと見るのが習慣となってしまいました。

たまにお客さんが入っている時があり、関係ないけど、ほっとしました。

間違いなく繁盛していないのですが、せっせと営業は続いています。

おそらく持ち家なので支払う家賃がなく、メニューもうかがい知れない感じなので、損益分岐点が相当低いところだったのでしょう。

4,5年見守ったでしょうか。その後建物は取り壊され、コインパーキングとなりました。

正解だったのでしょうけど、なんだか味気ない帰り道となりました。

 

 

 

 

 

 

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