11月、12月には、会社などから、年末調整のため生命保険料控除証明書などの提出を求められますが、一緒に出来そう(会社などにやってもらえそう)なのに出来ないものには次のようなものがあります。
- 医療費控除
- 寄付金控除(ふるさと納税)
- 雑損控除(災害、盗難、横領などによる損失が生じた場合の規定)
- 住宅ローン控除(初めての年分)
元々年末調整の計算を含む所得税の計算と精算は、納税者が自分自身で、1月1日から12月31日までの分について、翌年2月16日から3月15日までに税務署へ申告する過程で行うことになっています。
一か所に勤めて給料をもらっている人は、ほかに収入がない限り、その会社などがそっくりその人の所得を把握しているわけですので、そのほか申告に必要な情報(扶養家族の状況、生命保険料控除、地震保険料控除など)がわかれば、大体の確定申告に準じた計算がスムーズに出来るわけです。
そこで、会社などが本人の代わりにその計算をしているという事になります。
扶養控除等申告書(メインで働いている職場一か所に提出する)を提出した従業員に年末調整をすることは、その給与の支払いをしている会社などの義務となっています。
なぜ医療費控除などは年末調整で出来ないのか
上記の医療費控除などが、給与の支払者である会社等が年末調整において出来ない理由としてつぎのような性質があるためです。
・処理量が多い
・判断材料が多い
・判断が難しいところがある
・複雑な計算式が必要
・12月末日を経過しないと判定できない
・税額を大きく左右する項目である
・プライベートな要素が含まれる
まとめていうと、給与の支払者が行う仕事としては負担が大きいという事です。
確定申告時に、自分自身でする、又は税理士などに依頼する仕事という事になります。
*住宅ローン控除は、初めての年分の計算が確かならば、2回目からはスムーズに行えますので、年末調整で可能となります。
また、給与所得者が、ふるさと納税をし易くするため、確定申告不要となる制度(ワンストップ特例)も最近出来ましたね。