資本の利用が効率的に行われているかどうかの目安として、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、仕入債務回転期間、固定資産回転率という指標が在りますが、どのようなものなのか確認してみました。
[1]売上債権回転期間
売上債権回転期間とは、売上債権の残高が売上の何ヵ月分あるかを算出し、売った代金回収がどれくらいの期間かかっているかを示します。短い方が効率的といえます。
この期間が長くなる理由には、受取手形の期日の長期化、売掛金回収期日の長期化、長期滞留債権、などがあります。
売上債権には割引手形、裏書手形も含まれます
以下の算式で計算します。
売上債権回転期間=売上債権/月平均の売上
[2]棚卸資産回転期間
棚卸資産回転期間とは、棚卸資産の残高が売上の何ヵ月分あるかを算出します。
無計画な仕入、整理を要する在庫、死蔵在庫などを減らし、適正な在庫の管理に有用な目安とします。
一般的には、少ない方が効率的ですが、極端に少なければ、品薄な地味な商いとなってしまったり、品切れによる売上機会の損失につながってしまいます。
また製造業では、材料、仕掛品の段階のムダ、歩留まりも長期化の原因となります。
以下の算式で計算します。
棚卸資産回転期間=棚卸資産/月平均の売上
[3]仕入債務回転期間
仕入債務回転期間とは、支払手形及び買掛金の残高が売上の何ヵ月分あるかを算出し、支払期日の検討材料とします。
上記の売上債権回転期間、棚卸資産回転期間と反対に長い方が理想です。支払いを長く待ってもらえれば、資金繰りに苦労せず、別途銀行借入も少なくて済みます。
以下の算式で計算します。
仕入債務回転期間=仕入債務/月平均の売上
[4]固定資産回転率
固定資産に投下した資金が、一年間の売上の何回分(何回転)あるかを示し、投資した固定資産が効率的な働きをしているかの判断基準の一つとなります。
固定資産が売上に効果的に反映していれば、回転率が高くなり、効果が薄ければ低くなります。
以下の算式で計算します。
固定資産回転率=年売上/固定資産
*これらの分析も、とりあえずは売上がまずありき、ですよね。