会社の業績や株の話でROEとROAいう記号がよく出てきますが、簡単にいって何なのかまとめみました。
[1]ROEとは
ROEとはReturn On Equity の頭文字で、投資の見返り、すなわち元手に対する儲けのことです。
何か目新しい言葉のような気がしますが、日本語では自己資本当期純利益率のことです。自己資本=純資産に対しての当期純利益の割合を表します。
アメリカでは会社経営でこの指標が重視されているので、その影響から日本でも近年盛んに話題となっています。
少ない元手で、大きく稼げればこれに越したことはないので、下記の算式の数値が大きい方が収益性が高く、理想という事になります。
ROE(自己資本当期純利益率)=(当期純利益/自己資本)×100
[2]ROAとは
ROAとはReturn On Asset の頭文字で、会社の全資産に対する見返り、ここに全資産とは、自己資本と他人資本のことで、元手の他に借金の利用も含めた経営により、どれだけ利益を上げられたかを表します。
総資産当期純利益率のことです。
元手と借入金を駆使して、より大きく稼げればこれに越したことはないので、下記の算式の数値が大きい方が収益性が高く、理想という事になります
ROA(総資産当期純利益率)=(当期純利益/総資産)×100
[3]2つの関係
ROEは、同じ分子である純利益に対し、分母である自己資本が、少なければ数値が高くなり、自己資本が多ければ数値は低くなります。
自己資本が少ないという事は、負債が大きい可能性があり、自己資本が多いという事は、負債が少ない可能性もあります。
株主にとっては、負債の大小はともかく、自分が投資した持ち分=株式に対する純利益を重視した端的な指標のROEに関心が集まります。
ROAの数値は、自己資本と借金などの負債を含めた資本全容に対する純利益を表し、ROEでは読み取れない全体からの純利益の割合が示されることになります。
借入が少なく自己資本の割合が大きいという事は、堅実な経営で元手が多く、安定しているという事も言えますが、借入金を駆使して拡大発展していこうとする経営の活発さがない、或いは、純利益が株主などに配当として還元されていないのでは、という見方もあります。
*いずれも数値も同業他社、過年度との比較などで有益な情報となります。