小規模な個人事業者が年内に考えておかなければならない事に消費税に関するものがあります。
来年中に事業用の設備購入を考えている、又は輸出売上が大きく見込まれる場合、本来消費税の納税義務がない事業者、または簡易課税を選択している課税事業者は、損をしてしまう可能性があります。
金額の大きな設備の購入に際して支払う消費税等がある場合、消費税の納税義務者でなければ、消費税等の還付を受けることができません。
また簡易課税制度を適用している事業者も、消費税等の還付をうけることはできません。
輸出売上が大きい場合にも、消費税等の還付が見込まれる場合がありますが、この場合にも免税事業者及び簡易課税を選択している事業者は還付を受けることが出来ません。
課税事業者選択届出書、簡易課税制度選択不適用届出書
このような場合、年内に消費税の課税事業者選択届出書(自ら進んで課税事業者になりますという届出書)を所轄税務署に提出することで、来年から課税事業者になることができます。
簡易課税制度を選択している場合には簡易課税制度選択不適用届出書(簡易課税計算方式をやめて原則課税計算方式にしてくださいという届出書)を同じく年内に所轄税務署に提出することにより、還付が受けられる事業者となれる場合があります。
選択のリスク
来年、大きな金額の設備購入があり、消費税の納税義務者を選択して還付を受けられるのは結構な話です。
しかし、この話には大きなリスクがついてきます。
たとえば来年大きな設備(消費税法上の調整対象固定資産)を購入した場合、再来年とそのまた翌年の計3年間は、課税事業者にならなければならないというものです。
来年だけ課税事業者でいいのに、残念ながらそのように都合よくはいかないことになっております。
結局、来年の設備購入のため、消費税課税事業者を選択しようとする場合には、来年から3年間の消費税等納税額と還付額を、トータルで考えなければ有利不利の判断はできない、という事になります。
*来年(2018年)、消費税の課税事業者を選択したい場合、届出書の税務署への提出期限は今年12月31日(日)までです。郵送の場合、その日までの消印があればOKですが、税務署もe-Taxも12月29日からお休みですので、なるべく28日までに間違いなく提出しておいた方がよさそうです。