なぜ金額欄が空欄になっているのか?
なければおかしい、あって当然なものがない。作成した人が記載していない。
相手が都合のいいように金額を記載できるようにわざと空欄にしておく。
相手から“書かないで”と言われたので書かない。
うっかり書くのを忘れてしまった。
領収書は、当事者間で金銭のやり取りをしたことを記録を残し、その後の当事者間のトラブルを防止するため、また商取引上の記録にするために作成するものです。
①誰が作成したものか、だれがそのお金をもらったのか
②そのお金をもらった年月日
③もらった金額
④誰にあてて作成したものか、だれがお金を支払ったのか
⑤何のための代金なのか、商品やサービスの内容
中でも①②③は必須のものであり、たとえ商売をしたことがない人でも、必要最低限の事項であることはわかる。
・その領収書をもとに自分又は自社の商売上の経費に計上する。
空欄となっている金額欄に、自ら実態のない過大な金額を記載し、架空の経費として処理し、それを基に種々の税金の申告をして課税を逃れる。
・その領収書をもとに自分の所属する会社などから、会社が負担すべき分を立替払いしたので、その精算を要求し、お金を出してもらう。
空欄となっている金額欄に過大な金額を記載し、架空分を自分の懐に入れる。
金額の記載のない領収書とは、偽りの領収金額(=支払金額)を記載する準備書類として、脱税、横領といった不当な利益を得るための小道具となります。
渡す相手に融通をきかせて作成しているという言い分だと思いますが、端的に犯罪を助長する行為です。
“この世界ではみんなやってるよ”
“かたいこと言うなよ、世間知らずが”
というような声がアンダーグラウンドから聞こえてきそうです。
税務署に入られたり、トラブルが起こり痛い目に遭って、初めてやってはならないことを痛感する方も多いようです。
領収金額はあるが、日付の記載がない領収書というのも問題ないことはありません。
日付けを書くのが面倒なので書かない、領収書を作成する際、本日の日付けを覚えていないので、調べて記載することが面倒なので書かない、書くのを忘れてしまった。
軽い動機から悪気なく記載がないのかもしれませんが、後々、証拠が不十分でトラブルの原因となったり、脱税目的で都合のいい年月日を記入できる余地を残します。
*キャッシュレス決済が進み、手書きの領収書の出番は減りつつありますが、
小さな飲食店などでは、現金が一番物理的でわかりやすく確実だ、という理由からカード決済、スマホ決済を採用しないほか、記録がはっきり残り、とっさの融通が利かず、かた苦しいからイヤだ、という理由から、やりとりは現金の方がいいという考えもあるようです。