個人事業と比べて法人(株式会社)のメリット

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独立や法人成りを考えるとき、個人事業と株式会社を比較した場合、株式会社であるとどんなメリットがあるのか、整理してみました。(デメリットについては、別の記事にあります。)

 

[1]社会的に信用がある

株式会社やその責任者である代表取締役という肩書自体に、個人の事業と比べて社会的に信頼できるイメージがあり、実際、法人でない事だけで商取引すらできない場合もあります。

[2]自分の給料を経費にできる

個人事業では経営者の給料を事業の費用にすることはできませんが、法人の場合は種々の制約はあるにせよ、オーナー社長に給料を支払い、会社の経費として計上することができます。

さらに受け取った給料について普通の社員と同様、給与所得控除などを受けることができます。

[3]家族に給料を支払える

個人事業の場合、家族に給料を支払う場合、事前に青色事業専従者の届出が必要であり、要件に厳しく、青色事業専従者となった場合、控除対象配偶者や扶養親族になれませんが、法人の場合は制約はあるにせよ、個人事業に比べ支払い易くなっています。

[4]青色申告の繰越赤字の控除を、9年間使える

個人事業の場合、欠損金の繰越控除は3年間しか認められませんが、法人の場合は9年間(平成30年4月開始事業年度より10年となる予定)有効となります。

[5]生命保険料を経費にできる

オーナー社長などを被保険者として各種の生命保険に加入し、支払保険料の全部、または一部を会社の経費にすることができます。

[6]退職金を会社の経費にでき、受け取った退職所得は税制上優遇される

個人事業では事業主に退職金を払うことはできませんが、法人はオーナー社長にであっても、退職金を支払い会社の経費にすることができます。また受け取った退職所得は税制上、大変優遇されています。

[7]減価償却に融通が利く

個人事業は原則、定額法で毎年強制的に減価償却しなければなりませんが、法人の場合は、原則、建物以外は定率法で、減価償却の限度額は決まっているものの、償却額は税法上自由に決められます。

[8]住居を社宅として経費にできる場合がある

オーナー社長の住居となるところを、社宅として会社名義で所有または賃借し、社長個人の負担を軽減できる場合があります。

[9]法人税の方が一定以上の所得になると所得税より低い

個人事業と法人に対する税金は各種ありますが、メインの税金である所得税と法人税を比較すると、所得税の最高税率は45%ですが、法人税の最高税率は約23%であり、一定以上の所得があると、法人の方が有利となります。

 

 

*ひと昔より会社の設立の条件がだいぶ緩和されているので、個人事業も3年くらい経って波に乗ってきたら、法人成りを考える時期といったところでしょうか。

 

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