路線価とはなにか。固定資産税路線価と違う。特定路線価、表通りよりちょっと入った小道の方が高い!?

[1] 土地の値段も生もの。

値段が高くなる3要素

①商売する場合や住む場合、便利な土地

②あまり売りに出されない希少な土地

③実際に買いたい人、が多い土地

人と車が行き交う大きな道路ほど商売に都合がよく、有利なので付近の土地は値段が高く、また、人通りがあまりなくても、電気ガス水道電話が不自由なく使え、駅が近く、道路が整備され、買い物するところが充実しているところは住みやすいので人気がある。

おなじ土地でも人気度の波、景気、流行、値決めする人により刻々と値段は変わり、不動産といえども、値段は不動ではない。

[2]相続税の計算で路線価が登場する

土地の所有者が亡くなり、その所有権を相続人などが取得したとき、国は、その取得した人に相続税を課す場合がある。

土地の場合その財産を金額で表し、他の財産債務と合算して相続税の計算式にとりいれ、相続税の金額を決める。

その亡くなったときの財産の時価という位置づけで、人々が多く通り、集まる土地(=市街地)では、路線価評価という相続税法独特の評価方法を使うことが原則となっている。

路線価評価とは、人や車が通れる道に面した土地の価値の測定に、その交差点区切りや地形区切り、所轄税務署区切りほどの一つ一つの道に、1㎡当たり何円という金額を決めることがベースとなって評価する方法で、その金額は、毎年一回、国税庁→税務署が決めている。

 

[3]公示価格、固定資産税路線価と路線価の関係、相続争いでは

路線価は、公示価格のおおむね80%の価格とされる。

公示価格は、あらかじめ決められた基準の土地について、国土交通省で、不動産鑑定士らで構成される委員会で決定する。実際の取引事例の90%程度を目途とされる。

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき、国家試験に合格したものが、不動産を公正中立、客観的に鑑定評価することを仕事とする。

 

相続争いなどでの争点となる個々の土地の評価額は、両当事者と関係がなかった中立の不動産鑑定士に、裁判所が依頼するのが通例となる(もちろん有料です)。

 

地図上の路線価の情報は、かつて税務署に備えてあり、そこで四苦八苦しながら調べるものであったが、今は、だれでもインターネットから簡単に見ることができる。

日本全国の一つ一つの道全部に路線価の金額を決めることは、到底不可能で、土地の取引が頻繁、また取引価格変動が激しく、人々が集まる土地の道だけ、毎年金額を決める。おのずと全国の中で時価が1㎡あたり割高となる土地である。

 

その他の決められていない土地については、それを補うために固定資産税評価額を利用する。市街地以外の宅地、農地や林地などでは路線価評価でなく、固定資産税評価額をもとにして、相続税の計算にとりこむ。

固定資産税評価額は、公示価格のおおむね70%とされている。

もともと路線価を使う評価より、毎年土地を持っている人に支払ってもらう税金算定のための、固定資産税評価の方が歴史が長く、固定資産税評価は国税庁=国が決めるのでなく、その土地に密着した市町村が決めるので、地域に詳しく細かい調査の積み重ねがある。

 

固定資産税評価は、固定資産税路線価が基準となっており、(相続税)路線価と似たような形式であるが、路線価のついてない道にも、固定資産税路線価はついているなど、細かく詳しく付されている場合が多い。

 

[4]固定資産税評価のほうが細かく詳しいならば、なぜ路線価評価を持ち出す必要があるのか?

固定資産税評価は、地方税の法律に沿っているものの、市町村ごとに決めるので、市町村それぞれの経済状態、政治傾向、やる気度、の違いがあり、全国共通の国税である相続税の基準として、不公平になりうるから、と思われる。

 

いいかえれば、国が課し、コントロールする相続税のために、それぞれ市町村ごとの固定資産評価を横断的に統率できないから、内情その固定資産税評価や公示価格、実際の不動産売買事例、賃貸取引事例、も参考にしながら、路線価評価という新しい定義を生み出したといえる。

 

[5]特定路線価とは

 

もちろん道路に面した土地ばかりでなく、(人が出入りするときは、他の人の土地を通って出入りするなど)道路に面してない土地もある。

 

表通りには路線価の値段がついているが、その表通りから脇道に入ったところに面した土地は、その脇道に路線価がついていることもあり、またついていないこともある。この場合、相続税の土地評価方法にも、土地の形や特殊性に応じて、いくつかレアな方法がある。

その中の一つに、相続税の評価に取り組む納税予定者、または依頼された税理士が、値段のついてない道に、あえて路線価をつけてほしいと税務署に頼み、その路線価をもとに評価する方法がある。

そうしてつけてもらった路線価を特定路線価という。

ここで要注意なのが、特定路線価をつけてもらったら、それを基準に評価しなければならないということ。

もちろん相続税を計算して税金を課されるほうは、評価は低いに越したことはない。

 

”私が税務署に頼んで、つけてもらった特定路線価は、こちらで思っていたより高いから、ほかの方法でやりますので、特定路線価は使いません”

ということはできないこととなっている。(税務署側からすると、せっかく手間ひまかけて算定したものが、いいように利用され、無駄にされないように。)

 

 

大きな通りより、脇に入った通り、裏通りの方が路線価は低い値段になるのが普通である。

大通りに土地を持っている人が、商売をやらないで静かな裏通りで暮らしたい人は、大通りの土地をほかの人に高い値段で売れるし、貸せる。

 

***以前、税務署に依頼した特定路線価の回答書を見ると

特定路線価の方が表通りより 2、3万円高かったことがあった。

 

平凡な舗装してない雑草のある小道であり、すぐ横は広い空き地がある。

こんなことがあっていいのだろうか。

 

さては

・神代の昔のハニワが出土した跡地で、しるしとぞ知る、隠れたパワースポットがある。

・お忍びで皇族が採取しためずらしい野草が生えていたところで、地元先代の人々には誉れ高い小道とうわさになっていた。

・世界最先端のAIを導入した老人ホームの建設計画がある。

・非公表の、有事に備え地下に核シェルターがあり、近所の人は優先的に避難できる。

・近所に国民的テレビタレントの実家がある。

 

どれも現実的、決定的な推論にいたらない。

一方、同じ道に、固定資産税路線価は、しっかり付されていて、普通に表通りより2万円くらい低かった。

 

税務署に問い合わせたところ、結局あっさりミスであった。

その日のうちに、そう近くもない税務署の方が来訪され、訂正版の通知と丁寧なおわびがあった。

迅速な対応と、手に持ってみると意外に軽いが、見た目ボリューム感を放っている手土産(経費にするのか、担当者のポケットマネーかは不明ですが。)

には、たいそう感心しました。