配偶者控除と配偶者特別控除の平成29年度の改正は、平成29年分からではない件

確定申告時期となり、個人の所得税などの申告をする方にとって税制の改正について記事やニュースなどで、目にした、耳にした情報をいち早く取り入れ、正しく計算、実施する方、またちょっと勘違いする方がいらっしゃいます。

改正というと、“タイミング”の話は2つあります。

その改正する法律、規則などがいつできたのか?と、その改正にのっとった実施をいつからやるのか?です。

 

いつからやるのか?も、改正の内容の一部ですが、この2つが結構ごっちゃになり、またごっちゃになるような、一般の感覚でははっきりわからない表現で税制改正の記事が出たりします。

 

平成29年度の所得税の改正事項の一つに、配偶者控除と配偶者特別控除があり、簡単にポイントは以下の通りです。

  • 配偶者控除が厳しくなる。

納税者本人の合計所得金額(収入ではないです)によって、控除金額が減らされるようになる。

納税者本人の合計所得金額が1,000万円超となると配偶者控除の適用はなし、となる。

  • 配偶者特別控除の適用枠が拡大する(どちらかというと緩くなる)。

配偶者の合計所得金額(収入ではないです)が76万円以上であると適用はなかったが、123万円まで適用あり、となる。

納税者本人の合計所得金額によって、控除金額が減らされるようになる。

 

 

以上の改正について実際に実施されるのは平成29年分の所得税の計算ではなく平成30年分の所得税からです

“平成29年度の改正” としてバーンと銘打たれてしまうと、あたかも平成29年分の所得税の計算から適用されるのか、と思ってしまいがちです。

改正事項が定まったのが平成29年度という事であり、いつから実施するのかは、別の話です。

記事全部をくまなく読むと、“適用は平成30年分以後・・・”などと最後の方にちょこんと書いてあります。

 

このようなケースは、実はたくさんあり、改正事項が決まった時大いに話題になりますが、何年か経って初めてその事項が具体的に適用されるというパターンです。

 

*最も、なにかしら “今、決まったので即刻、実行して下さい”といわれたらやはり戸惑いがあることは多いですよね。