勤労学生控除の学生という事

所得税に勤労学生控除という規定があります。

働きながら、仕事をしている人について、その個人に係る所得税を少しばかり軽くする規定の一つです。

計算上、税率をかける前の所得から27万円差し引くことができます。

 

その適用を受けるためには、所得が65万円以下(給料収入であれば130万円以下)である等のほか、特定の学生であることが条件の一つとなっております。

  • 学校教育法第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
  • 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の要件に当てはまる課程を履修させるもの
  • 認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の要件に当てはまる課程を履修させるもの

 

たとえば、開校して20~30年久しく日本で運営している外国の大学の日本校がいくつかあるようですが、今のところこの勤労学生控除の条件をクリアする上記の学校教育法第一条に規定する学校は当てはまるものはないようです。このため勤労学生控除の適用は受けられない事となります。

 

もともと外国の大学の日本校は、日本で築き上げた伝統的な経営構造や教育方針、プログラム、教育法規制に縛られないゆえに、日本においてユニークで魅力的な学校であるわけです。

 

しかし、国際社会で羽ばたいてゆく若者のためにも、国内でのグローバルな教育環境を備えるため、税制も現在上記の規定について、検討課題としているようです。

 

学ぶという事自体は、いわゆる義務教育のカリキュラムの枠外にも、さまざまな

分野や志向があり、人に迷惑をかけず、社会生活を豊かにすることを学ぶのであれば、上記の特定の学生の条件に当てはまらなくても一概に、“学生ではない”とは言えませんよね。

 

だからと言って、何らかの規制なく、何かしら学んでいれば学生なので、“税金安くします”という訳にもいかないようです。

 

*法整備の只中にある仮想通貨の流出事件で

“ああ、・・・やっぱりな”と思った方も多いと思います。

拡大するIT、国際社会化に向けて、日本の税制含む法整備の方が、慎重になりながらも、一つ一つ必死で追いかけているといった感じでしょうか。