障害者控除 相続税の申告

相続税の計算で、相続又は遺言により財産を取得した者が障害者である場合に、相続税が一定額、減額される規定があります。

相続税の障害者控除です。

[1]障害者控除が受けられる人は次のすべての要件に当てはまる人です。(2017年4月1日以降の相続)

 

①相続又は遺贈により財産を取得した時に日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除きます)

②相続又は遺贈により財産を取得した時に障害者である人

③法定相続人(相続放棄した人も、放棄しなかった場合に相続人となる人)であること

 

[2]いくら減額されるか

一旦その人に財産債務が割り当てられ、計算した相続税額から、次の算式で計算した金額を控除できます。

10万円×(85歳-相続開始時の年齢)

*年齢は一年未満切捨て。特別障害者の場合は10万円でなく20万円となります。

具体的には15歳だと700万円。

40歳だと450万円。

70歳だと150万円。

という具合です。

[3]控除しきれない場合

また計算上、その者の相続税額から引ききれない場合(=まだ引ける余裕がある場合)

はその者の扶養義務者の相続税額からその引ききれない部分の金額を控除できます。

(注)扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹の他、3親等内の親族のうち一定の者を言います。

[4]以前、ほかの相続で控除したことがある場合

今回、この規定を受けられる人が、すでに以前ほかの相続でこの規定を受けていた場合は、その控除された金額分は、今回の控除額が制限されることがあります。