有限会社の名を冠した会社をみることが少なくなってきました。平成18年(2006年)の会社法の改正で、新規に有限会社を作れなくなって、平成30年(2018年)現在12年経っています。
個人事業の方が法人化しようとする段階で、現在、ほとんどの場合株式会社の形態を考えますが、少人数で始める場合には合同会社にしよう、と考える経営者も増えてきました。
合同会社は、上記の会社法改正によってできた法人組織であり、株式会社の組織構造より柔軟なところがあります。
たとえば、設立費用が株式会社より14万円(登録免許税15万-6万、定款認証5万-0)くらい安くあがる、役員の任期を決めなくてもよいので任期満了のたびに役員改選に伴う費用を出費する必要がない、決算公告をする必要がない。
古くから浸透してきた株式会社のイメージにこだわらない外資系企業が、大規模で有名な組織であっても、合同会社として日本法人が作られたりしていることから、年々その設立する会社形態の割合が増えています。
株式会社と比べると、合同会社の言葉の響きには、小規模少人数である、という反面、慣習より合理主義、若い、新しい、IT、グローバル、風通しがいい、といったイメージがうっすら湧いてきたような気がします。
しかし今、株式会社や合同会社を設立するのでなく、休眠しているような有限会社を引き継ぎたいという経営者がいらっしゃいます。
まっさらな状態から設立した方がすっきりしてよいと思いますが、その会社の内容云々より、なんと有限会社というの名前が欲しいというのです。
有限会社の後に続く法人名称は変更する予定だが、あたまに有限会社をつけたい、という意向です。
既存の会社を引き継ぐという場合、まず問題はどれだけ負債があるか、どれだけ色々な重荷を背負っているかを徹底的に調べないといけないですよね。
それまでのオーナー社長が、会社を手放すという事は、後継者の問題以外には、見える又は見えない借金や損失が必ずある、と覚悟しておいた方がよさそうです。
元々、有限会社がなくなる代わりに合同会社が出来たところもあるので、株式を公開する予定のない小規模な会社にとって、既存の有限会社は合同会社の良いところは既に持っているといってよいでしょう。
さらには合同会社では代表取締役という肩書は使えませんが、有限会社では使えます(登記上は、取締役が2名以上出ないと代表取締役の登記はできませんが)。
今、有限会社と名乗られて受ける印象はどんなものでしょう・・・。
古くからある(12年以上続いている)会社。
上場しない、会社を大きくしない会社。
堅実経営で、ポリシーのはっきりしている会社。
IT革命の荒波も乗り越えてきた会社。
・・・不思議にも、信用がおけそうないい感じがしてきました(あくまでも個人的なイメージですが)。