法人税法上、同族会社のみなし役員の判定の際、会社の経営に従事しているか否かが問題となる場合があります。
会社の経営に従事、について少し解りにくいので、整理してみました。
[1]経営に従事しているとは?
会社の経営に従事しているか否かとは、法人の業務運営上、重要事項の決定に関わっているか否かです。
この関わっているとは
重要事項を最終的に選択する局面において、決定する権限を持っている。或いは、決定に際しての取締役会などの会議に参加して意見を言える立場にある。
ということになります。
[2]重要事項とは?
会社の重要事項には次のようなものがあります。
①資金計画
取引金融機関の選定 借入の決定 返済スケジュールの決定
資金運用の計画、調整、決定
②人事計画
従業員の採用 昇格、給与支給額、賞与支給額の決定
③仕入れ計画
原材料、商品の仕入先の選定 取引量、取引形態、取引価格の決定 契約の決定
④営業、販売計画
販売方針及び宣伝方針の計画、変更及び決定
得意先の選定 取引量、取引形態、取引価格の決定 契約の決定
⑤設備計画
製造設備、販売設備などの導入、賃借、賃貸の計画、変更び契約の決定
[3]その他
経営に従事しているか否かの直接的な判断材料ではありませんが、他の社員との給料の金額の比較によって、総合的判断材料となることもあります。
特に小さな会社では、経営に従事しているか否か、はその事実関係を立証するのにむずかしく、税務署などとトラブルとなるケースも少なくないようです。