被相続人、推定相続人、法定相続人、相続人、代襲相続人の関係(相続税の計算上の前提)

亡くなった人、死んだ人、故人のことを被相続人(ひそうぞくにん)と言いますが、相続の話になじみがないと、既にそれだけでとっつきにくい、なじめない感じがしますよね。

しかし、亡くなった人、死んだ人、故人というと直接的で湿った感じがしそうなので、被相続人といった方がなるほど事務的で、相続、相続税の話に入りやすい。

又、相続の手続は、亡くなった人の遺志はあるにせよ、あくまで生きている相続人たちの間で進むものなので、あえて亡くなった人は受け身の”被”がつく、と考えると納得がいくのではないでしょうか。

[1]推定相続人とは

まだ被相続人が生きている間の段階で、たぶん相続人になるだろうと予想される間柄の人を推定相続人といいます。

[2]法定相続人とは

被相続人が亡くなったあと、

推定相続人の内、被相続人の死亡前に亡くなってしまった人及び、欠格又は廃除により相続権を失った人、を除いた人、を法定相続人といいます。

欠格とは被相続人や他の相続人を殺したり殺そうとして刑に処せられた者、詐欺又は強迫により遺言書を書かせたり、遺言書を隠したり捨てたりして、法律上相続人として問題がある人

廃除とは、被相続人の意思により、遺言又は家庭裁判所に届け出て、相続人にしないようにした人(虐待などの正当な理由が必要)

[3]相続人とは

法定相続人のうち、相続を放棄した人、

を除いた人を相続人といいます。

[4]代襲相続人とは

相続人となるはずだった人が、死亡、欠格又は廃除により相続人とならなくなり、その代わりに相続人となったその(なるはずだった)人の子、を代襲(だいしゅう)相続人といいます。

相続を放棄した場合には代襲相続はありません。

 

・被相続人の子が相続人となるべきだった場合、子の代襲相続人は、被相続人の孫、さらにその孫の代襲相続人は被相続人のひ孫となります。(代襲が連続します)

・配偶者が亡くなった場合、配偶者の父母や兄弟は、配偶者のかわりに相続人とはなりません。

・被相続人に配偶者も子もいない場合、被相続人の父母が相続人となりますが、その父母がいない場合、代襲相続人とは呼びませんが祖父母が相続人となります。

・被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべきだった場合、兄弟姉妹の代襲相続人は、被相続人のおい、めいとなりますが、そのおい、めいの子は被相続人の代襲相続人となりません。(代襲は一回だけ)

・相続人となるべきだった人ひとりの代襲相続人が複数となっても、相続分は増加せず、もともとの1人分の相続分をその人数で分けることになります。

 

*代襲相続人にあたるとわかって、財産がもらえるだけならいいですが、借金があったらそれも引き継ぐことにもなりますので、場合によっては喜ばしい限りとはなりませんね。