二世帯住宅の土地の相続税(小規模宅地等の特例)

二世帯住宅というのはメリットが多いですよね。

仲が良ければ、いつも一緒にいることができる。毎回の食事なども気軽に一緒にでき、体調が悪い時、何か手を借りたいときに、すぐに来てもらえる。

何よりすぐそばにいるという安心感。

仲が悪ければ、何日も顔を合わせることなく過ごせるので、いちいち干渉されなくて済む。場合によっては、いるのかいないのか分からない位、お互いを意識しないで済みそうです。

最も初めに住もうとする計画段階では、ある程度仲良くないと、二世帯住宅は選ばないと思いますが(経済的理由もありますね)。

二世帯住宅の敷地となっている土地が被相続人のもので、1階に被相続人、2階に息子夫婦が住んでいると仮定します。

相続の際、息子さんがその土地を取得するとした場合、同居を条件とした土地に係る相続税の減額規定が適用できるかどうかの問題があります。

その判定のためには、土地の上に立っている建物の内部構造と利用状況が基準となります。

平成25年までは、一棟の建物といっても、主に内部の間取りにより、同居しているか否かの判定により、減額規定が適用できるかどうかが分かれました。

完全に分離していれば、同居していない、と判定され同居を要件とした評価減の特例はうけられませんでした。

しかし、外観は同じに見えても、内部の間取りは様々で、玄関だけ一緒、玄関とお風呂だけ一緒、玄関は二つあるが中ではつながっている、完全に分離している、当初完全に分離していたが後から壁を壊して通れるようにした、逆にもともと共有スペースがあったが後に封鎖して完全に分離した、などなど。

このような個々のケースで判断が微妙に分かれ、減額規定の適否により大きく相続税額が左右されました。

そこで平成26年1月1日以後の相続からは、このような外観上一棟の建物ならば、完全に別々で分離していたとしても、登記簿上同じなら、同居。登記簿上別々なら、別居。という判断が出来るようになりました。

 

上記の例の場合、建物の2階部分が登記簿上、区分所有とされていなければ、玄関から別々で完全に1階と2階が分離されていても、同居となり、敷地全部について同居を条件とした評価減の特例が受けられる可能性があります。

 

登記簿上建物の名義が被相続人と息子さんと別々であれば同居を条件とした評価減の特例は受けられません。

ただし、同一生計親族の要件を満たせば、2階部分に対応する敷地部分については、同一生計親族を条件とした評価減の特例が受けられる可能性があります。